2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

プライバシー権

最大判44年12月24日(京都府学連事件) 事実の概要 学生デモに参加していた被告は、その最中に警官に写真撮影を行われたので、その撮影を妨害しようとして、公務執行妨害・傷害で起訴された。これに対し、被告は、本件撮影についてプライバシーの侵害だと…

自己決定権の侵害

最判平成元年12月14日(どぶろく裁判) 事実の概要 無免許で清酒を自家製造した被告人は、酒税法違反で起訴され、有罪となった。原告は、自家用の酒を造り楽しむことは憲法第13条の幸福追求権により保障されており、また、立法府の裁量を超えるとして31条に…

憲法の私人間効力

最判昭和48年12月12日(三菱樹脂事件) 事実の概要 三菱樹脂株式会社に就職した原告は、入社試験時に学生運動歴を隠して報告を行ったとして、3か月の試用期間後、本採用を拒否された。そして、雇用契約上の地位保全の仮処分と賃金支払いを求めて訴えた。 結…

目次(憲法判例要約)

9条関連の判例(1) 恵庭事件・長沼事件・百里基地訴訟 9条関連の判例(2) 砂川事件 法人の人権 八幡製鉄事件・南九州税理士会政治献金事件 外国人の人権 地方自治での定住外国人の選挙権・マクリーン事件・塩見訴訟 公務員の人権 猿払事件 被収容者の…

被収容者の人権

最大判昭和45年9月16日(喫煙禁止違憲訴訟) 事実の概要 公職選挙法違反で逮捕され、勾留されていた原告は、その間喫煙を禁止されていた。そして、多大な精神的肉体的苦痛を受けたとして、国に損害賠償請求した。 結論 原告(被収容者)の上告棄却、原告の敗…

公務員の人権

最大判昭和49年11月6日(猿払事件) 事実の概要 非管理職である被告 (郵政事務官で同地区労働組合協議会事務局長) は衆議院選挙の際、選挙用ポスターを張るなどしたことにより、人事院規則に反するとして、国家公務員法の処罰規定より罰則を受けた。それに…

外国人の人権

最判平成7年2月28日(地方自治での定住外国人の選挙権) 事実の概要 韓国籍の永住資格者らが選挙人名簿への登録申し出を却下され、違憲を争った。 結論 原告(外国人側)の上告棄却 ①外国人は、93条2項で選挙権を有するとされている住民には含まれておらず、…

法人の人権

最大判昭和45年(八幡製鉄事件) 事実の概要 八幡製鉄所の取締役が会社の名義で自民党に寄付を行った。株主がそれに対し、寄付は事業目的の範囲内ではないなどとして、取締役の責任を追及するため株主代表訴訟を提起した。 結論 上告棄却 株主側の敗訴確定 ①…

9条関連の判例(2)

以下の判例は安全保障条約と在日米軍に関するものです。法律関連の資格試験では、結論①②に関する問題が択一式で出題されるのをたまに目にする気がします。 最大判昭和34年(砂川事件) 事実の概要 米軍田市川飛行場の拡張に反対していた被告人は、境界柵を…

9条関連の判例(1)

以下の判例は自衛隊の合憲性に関するものですが、結論からいうと、どの判例も自衛隊の合憲性について憲法判断を回避しています。 札幌地判昭和42年(恵庭事件) 事実の概要 自衛隊の演習場付近で酪農を営む兄弟が砲・爆撃音について抗議に行った帰途に、通信…